私といずみは事務所の帰りに買い物に出かけました。
「先生のパジャマどこで買おうかしら。デパートに寄りましょうね。食材もあることだし」
「パジャマならユニクロでいいよ。安いので十分だよ。浅草の松屋にユニクロが入っていたと思うよ。食材も地下の売り場に行けば何でも揃うよ」
私たちは浅草の松屋に立ち寄りました。
「先生、どんな色のパジャマにします?先生、もうじき還暦だから赤にしましょうか」
「還暦までまだ後二年あるよ。でも赤のパジャマでもなんでもかまわないからいずみが選んで」
「ブリーフやシャツもいりますか?」
「パジャマだけでいいよ」
選んだすえ赤のパジャマになりました。そのあと地下の食品売り場に行きました。私は買い物籠をもっていずみが買う食材を次から次と入れました。
「マトンのお肉がないわ。どうしましょうか、先生、ビーフカレーにしてもいいですか?」
私はいずみの作るカレーなら何でもいいと言いました。
「食後に甘いものも買っていきましょう。ケーキと和菓子どちらがいいですか?」
私は和菓子の草餅を選びました。
時間がなかったので、せわしなくまた楽しく買い物ができ、いずみの家に着きました。
部屋に入り私たちはごく自然に軽くキスをしました。ほんのり甘い香水の香りがしました。
「先生、お風呂に入ってパジャマに着替えて楽になってください。その間にカレーを作りますね」
私は言われるままお風呂に入りました。いずみが使っているシャンプーで頭を洗いました。いずみの香りがシャンプーから鼻に伝わってきました。私は湯船には入らずシャワーだけですましました。お風呂から出るとカレーの匂いがして私のお腹が反応して鳴りました。すでに脱衣所には真新しい赤いパジャマが畳んで用意されていました。パジャマに着替えリビングのテーブルに腰を下ろしました。
「もうすぐできますから、テレビでも見ていてくださいね」
いずみは瞳が大きく睫毛が長く鼻筋が通った整った顔立ちのうえに、唇が厚めで色っぽくさらに乳房もヒップも大きいものだからエプロンが膨らんで盛り上がっていました。
私はいずみの本棚を見ると専門書の他に人生論、哲学書の類の本が並んでいました。中でも小林秀雄の本が数冊あるのには驚かされました。小林秀雄の書籍は私もよく読んだからです。
「おまたせしました。急いで作ったので少し物足りない味かもしれませんが召し上がってください」
「いただきます。いずみのカレーを食べるのを楽しみにしてた。うん!この味!美味しい!」
「よかった!本当は今日はマトンカレーにしたかったんですが・・・ビーフ少し硬くないですか?」
「柔らかいよ、とってもいい味だ、美味しい!」
「わたしもいただきます。うん、まあまあの味ですね。おかわりありますから!」
「カレーは飲むものと芸人の誰かが言っていたけれど、美味しいとすいすいお腹に入っていくね」
「先生、山下さん本当に痛そうでしたね。転移や再発しなければいいですね。人間の運命は変えられないものなのでしょうか」
「運命は絶えず変わるものさ。その運命の中にも避けられる災難と避けられない災難があり、避けられる災難がいつ訪れるのかが予めわかればそれにこしたことはない。日本人には、宵越しの金は持たない、というように、先のことより今が大事という現実第一主義の傾向があるよね。もともと未来に対して消極的で否定的なところがある。運命というものははじめから決まってなんかいないさ。方丈記だったか、書いてあるだろ。ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず、って。川の流れが常に動いているように、運命というものははじめから決まっていない。次々に変わっていくものだ。人の過去から現在、そして未来までも支配する運命。過去という時間はもう過ぎ去ったものだから、すでに消えてしまって何も残っていないように思いがちだが、そうではない。過去、現在、未来はそれぞれに独立してあるのではなく、深く関係しあって存在してる。過去の言動が原因となって現在があるんだ。そして過去から引き継がれた現在というこの時を人がどう過ごすか。その過ごし方によって未来は変わっていく。つまり過去から現在までのその人の考え方や行動によって、未来は変えられる」
「先生はそれで山下さんに歩け、歩けと言ったんですね。痛いのに可哀そうと思いました。先生、草餅食べててくださいね。わたし、シャワー浴びてきます。」
いずみがシャワーを浴びている間、私は草餅を食べていました。
「先生とお揃いのパジャマです。少し大きめのを買ってきました」
私はまだ濡れているいずみの髪に唇をつけました。さっきお風呂で嗅いだシャンプーの香りがしました。私たちは唇を合わせ深いキスをしました。私の手はいずみのパジャマのボタンを一つ一つ外していきました。いずみはノーブラで見事な美しい乳房を私の目の前にさらしました。本当に綺麗な身体をしてる。私もパジャマを脱ぎいずみを抱きしめました。そのままいずみのベッドに抱きかかえていずみの身体を横に寝かせました。私はまぶしいまでに綺麗ないずみの身体全身に愛撫しました。いずみは優しい吐息をつきました。私はいずみの乳首を吸いました。「ああっ、やわらかい身体・・・・いい匂い」うっとりと言い、手がいずみの股間に触れました。すでに股間の茂みの中は濡れていました。
「あ、あんっ、ああっ・・・・」
顔の下に置いた枕を握りしめて、いずみは色っぽく声を放ちました。
「いずみ、入れるね」
「きてっ」
いずみは甘えるようにささやきました。切っ先が潤みの上に当たりました。.位置を合わせるために、いずみは足を開いて、尻をくっと浮かせました。ぬるっとすべって、亀頭が膣の窪みに刺さりました。
「ああっ、すごい。スムーズに入った、こんなに濡れてる」
愛液で湿った膣粘膜の中に私は入っていきました。
「んっ、ああっ、先生」
いずみは細顎を持ち上げて、髪を震わせました。私は腰を遣い始めました。
「あっ、あっ・・・・ああっ」
紅唇からは艶めかしい喘ぎ声がもれました。豊満なヒップが勝手に揺れました。
「もう我慢できない・・・・出すよ、いい?」
「先生、いやっ。もっと続けて・・・・・ああん」
紅唇はよがり泣きを艶麗に奏でました。
「出るッ、出るよ」
切羽詰まった声と共に、いずみのくびれたウエストがぎゅっと掴まれ、腰が打ち付けられました。
「先生・・・・・いいわっ」
付け根まで埋まった勃起の戦慄きを感じながら、膣内射精の恍惚にいずみは酔いました。
私はいずみの長い髪を指ですき、唇にキスをし身体を抱きしめました。
私といずみは抱き合ったまま眠りにつきました。
続く