大きな仕事を紹介してくれた顧問先の社長を、そのお礼に箱根の温泉に招待することになりました。早速、ユジンに今週の土曜日に大事なお客さんを箱根に連れて行くからユジンの他に美人でサービスのいい芸者さんを一人頼んでくれないかと連絡しました。ユジンは「美人でサービスのいい人ねぇ、」と迷っていました。            「芸子は皆サービスはいいけれどどんなサービス?」                                     「その社長を、というか男を喜ばせてくれるような人がいてくれたらいいなぁ」                            「そうねぇ、わたしあんまり好きな人ではないけれど弓子姉さんがいいかも。」とユジンは言いました。
「その社長さんは五十歳で女性問題がたえない人なんだ。でも人柄はいいよ。」
「じゃあ、弓子姉さんでぴったりよ。男性問題が絶えない四十歳の芸子さんだから!声かけておく。それよりもジュンサン、前の日に家に泊まることできない?」
「うん、そのつもりでいるよ、ユジン。」
「ほんとっ!ジュンサン。お昼頃ですか?お昼ご飯の支度して待ってます!」ユジンの喜ぶ顔が電話ごしに目に浮かびました。
「ジュンサン、その時ジュンサンがお話してくれた『引き寄せの法則』の本を読ませてくれるかしら?読んでみたいの。願い事が思ったとおりになるのでしょ。」
「願い事、思っていること、人間関係、お金などなど全ての事を良いように考えることによって叶う事が書かれている本なんだよ。わかりやすく簡単に読めるからね。」

ユジンの家には金曜日の昼に着きました。「ユジン、今日はやっかいになるね。」と言うとユジンは、
「ジュンサン、待っていました。今日は泊まってってくれるのね!」
私は、そこにもうなりふり構っていられないユジンの大きな喜びをみるような気がしました。私たちは抱擁をし、キスをしました。
「夜の宴会があるので、お昼はクリームシチューとサンドイッチを作って待っていたの。それでいいかしら?」
「ユジンが作ったものなら何でも食べるよ。これ本持ってきた。」本を手渡すとユジンは大事そうに本を本棚に置きました。テーブルに食事が並べられ、私たちは食べ始めました。
「ジュンサンからお座敷のお声がかかるなんて思ってもいなかったわ。お座敷よりこうしてジュンサンに会えることの方がどんなにか嬉しいかわかる?」ユジンにとってはこの世で最も喜びに溢れた会い方でした。私も眼が喜びに輝きその喜びが心をゆさぶりました。
私は思い出したかのように豊胸手術のことを尋ねました。
「がんセンターの先生は、もうそろそろいいでしょう、と言っていたけれど病院に行ったら放射線をかけてまだ間もないので六ヶ月間を置きましょうって言われちゃったの。」ユジンは残念そうに言いました。
「ジュンサン、夕飯の支度にスーパーに買い出しに一緒にいってくれれる?この辺にスーパーがないのでいつも車で行っているの。」
「ユジン、車の運転できるんだ!」私は少し驚きました。
「小さい黄色い軽自動車なの。もう五年乗っているのよ。」
「ユジンの運転初めてだなぁ。うん、良いよ、買い物に行こうね。」
「ジュンサン食べたいものある?」私はユジンが作るものなら何でも良いと答えました。
「じゃあぁ、すき焼きにしましよう!」とユジンは言いました。
買い出しを終えると、もう六時を過ぎていました。ユジンは料理を作り始めました。
私はユジンの部屋を見渡すと明日着ていく着物が掛かっていました。ユジンが芸者であることを再認識しました。いつまでも芸者にしておくにはいかないと思いました。
食事中も楽しい会話で弾みました。「明日、社長さんと別々のお部屋?」私は、うん、と答えました。
「じゃぁ、宴会が終わったらジュンサンのお部屋に遊びに行くわね!」
私は夕飯を終えると風呂に入りました。風呂からあがると、真新しいパジャマが用意され、布団がひかれていました。ユジンも風呂に入りパジャマに着替えました。ユジンが愛らしく輝いて見えました。
「ジュンサン、お布団に入りましょ。ジュンサンがいつ来てもいいように毎日お布団を干してるのよ。」
太陽の匂いがするふかふかの布団でした。ユジンは私の布団の中に入ってきました。私はユジンの体を優しく抱きしめました。私たちは長いキスを繰り返し、自然と裸になっていました。私はユジンの体をの隅々まで愛しました。ユジンの体は既に女になりました。