W不倫相手2人目のY子とは、一週間近く会っていませんでした。W不倫相手T子との出会いで会わなかったわけではなく、連絡は毎日、メールで交わしていました。一週間近く会ってないことを思うと、今まで自分の眼の前にあった華やかなまぼろしが、一度に奪い去られるような淋しさを感じました。その時、私が感じた淋しさがどういう淋しさであったか、私自身、説明ができません。しかし、私がそういう淋しさを感じたことは事実であったし、私は、そのめいるような淋しさを忘れてはいません。Y子と会う日を決めました。当日、久しぶりで会うY子を見て自分にも和らいだ喜びが湧いてきました。しかし、T子とのことがあるので、女の感でバレはしないかと、ひどく大それたことをしでかしたような不安に胸が少し落ち着きませんでした。ホテルのシャワーで浴びてきたばかりのY子の体を抱きしめました。そしてキスをすると以前のように自分が満たされていることを知り、それで何となく安心して、ベットまでY子を抱き抱えて入りました。Y子の全身を愛撫するとシャワーを浴びてきたばかりのソープの薫りがしました。私がY子の局所に私自身を入れると、あぁっと声をあげました。Y子の体は弓のようになりました。

ホテルを出て食事をして、次に会う約束をしてわかれました。

その日の夜、T子に連絡をとりました。予想だもしなかった自然な喜びが身体をおしひたし、真っ先に思い浮かんだのは、T子に会いに行こうということでした。T子の声は喜びに輝いていました。「何時?何時?」というT子の声は何か自分の内部にある本当のものを本当の形で表現したい、という情欲のような激しい衝動を覚えました。「あしたはどう?」と聞くと、初めて恋するような熱烈な情で「うん!だいじょうぶ、明日ね!」と応えてきました。「また横浜にする?」と尋ねると「すぐに会いたいよ」と抑えようとしても抑えられぬ感情をあらわにしてきました。私はたしかに無限の感情もってT子を愛しています。それは、Y子と同じ情念でした。ただ、体を愛する行為ではなく、心から愛しているものでした。

続く