ホテルに入って、行為に至るまでどういう会話をしたか覚えてないが、彼女がシャワーを浴びている間、愛の芽が私の中に欲情となって芽ぶきはじめたのだ。愛情は無い。ただ、これから始まるセックスのことだけが頭にあった。愛情は彼女に対してはないがそれも棒が喉へとつかえたよで気恥ずかしい感じだった。彼女はシャワーから出るとすぐさまベットに入って無言だった。「早くいらして」と彼女が言ってきた。気持ちを持たせるようなことを言われると、まんざらでもない気持ちがした。私は服を脱ぎ彼女が横たわるベットに入った。私はまずキスをしたがそれは愛情からくるキスではなく単なるセックスの儀式のようなものだった。何か有頂天とでも言いたい程な快感が彼女にはあった。彼女のアソコを触るともうかなり濡れていた。私のモノはすんなり彼女のアソコに入っていった。彼女は両足を上げ吐息を何度もはいた。オルガスムスの瞬間体の内と外からひしめきあうように、体中がやさしく柔らかに、手足の端々まで、溶けてゆくような幸福感が湯のように流れていった。
この彼女との交際期間は一年ほどで終わった。愛してなかったったと言えばそれまでだが、私が嫌になったのはとにかく彼女は私と関係を持つようになってはしゃぎすぎたからだ。彼女の友人のもわたしてのことを言いふらすようになりW不倫という危機感を感じ始めたからだった。自己が自己に自然な因果を発展させながら、その因果の重みを背中にしょって、高い絶壁のはしまで押し出されたような心持ちであった。
これが一人目のW不倫である。
続く